【解説】初公判 被告の様子や明らかになった事件の詳細は…

河村庸一 キャスター
ここからは、裁判を取材した須崎記者とお伝えします。須崎さん、25日は石山被告はどんな様子だったのでしょうか?

須崎蓮 記者
25日の初公判で石山被告は、黒の背広姿に、マスクをして出廷しました。証言台に立つと、裁判長の問いかけに対し、落ち着いた様子で返答をしていました。
河村 キャスター
25日の裁判で、事件の詳細が明らかになりました。石山被告の役割を教えてください。

須崎 記者
焦点になるのは「虚偽の死亡診断書」です。
認知症が疑われる80代の男性医師の名義で作成され、死因は「肺炎」となっていました。検察側の冒頭陳述などで、犯行は弟で当時主治医だった哲被告が「肺炎でいけるのでは」と提案したとされています。
これに対して弁護側は、石山被告は「病院守りたい」という思いで診断書の作成を指示したとしています。

さらに、検察側による病院関係者の供述調書から、診断書の詳細な作成手順も明らかになりました。
認知症だった男性医師に診断書の作成を依頼したところ、当初、拒否されたといいます。このため、病院職員がボールペンを握り、そこに医師の手を添えて診断書を書いたということです。

警察は、同じ医師名義の診断書を200枚以上押収していて、少なくとも7割が死因が「肺炎」と記載されていました。不適切な行為が常態化していた可能性があります。
河村 キャスター
全容の解明に向けては、弟の哲 被告が何を語るのかも大事なポイントになりますね。
須崎 記者
哲被告の裁判期日はまだ決まっていません。さらに、その中で判ったことをどう医療提供体制の改善につなげていくのかが課題となります。