愛媛県松山市に本社を置く伊予鉄グループでは、今年3月から電車と路線バスのすべての路線で「ICOCA」や「Suica」など全国交通系ICカードが利用できるようになりました。
これにともない、伊予鉄が独自に発行し、長年利用されてきた「ICい~カード」のサービスが今月末で終了します。

2005年に伊予鉄が独自に導入した「ICい~カード」。電車のほかバスやタクシーでも利用でき、当時、ローカル鉄道の先進的な取り組みとして注目されました。
いよてつ高島屋でも利用できるなど独自の進化を遂げ、2014年に公表されたデータによりますと、発行枚数はおよそ35万枚。これまで多くの人に利用されてきました。

しかし、各地で全国交通系ICカードの相互利用が広がる一方で、愛媛は数少ない「空白県」に。

そうした中、伊予鉄グループは、去年3月、JR西日本の「ICOCA」を採用し10種類の全国交通系ICカードも利用できるようになりました。そして、「ICい~カード」のサービスを今月末で終了します。

通勤定期券は窓口に並ばなくてもICOCAのウェブサービス「iCONPASS」で購入できるということです。ただ、通学やシルバー定期などは窓口で購入する必要があります。
伊予鉄グループ広報室矢野吏桜さん
「モバイルICOCAであれば自身のスマホでどこでもチャージができるのでとても便利なサービスなのでぜひ活用してほしい」
一方、「ICい~カード」の残高は、いよてつチケットセンターで払い戻しを受け付けていて、来月から当面、手数料を無料にするということです。

累計の発行数が2億枚を超える全国交通系ICカードの導入で伊予鉄グループは地域活性化につなげたいと話しています。

(伊予鉄グループ広報室 矢野吏桜さん)
「観光やビジネスで松山や愛媛を訪れるお客様の手持ちの全国交通系ICカードがそのまま利用できるようになるので、地域経済の活性化にも貢献できることを考えている」