メジャーリーグ、ドジャースの大谷翔平選手と語学スクールを運営するECCが共同で子どもたちにアメリカ留学をプレゼントする取り組みが行われました。この取り組みに高知県から唯一参加した中学生がいます。夢に向かって、初めての留学に挑戦しました。

流暢な英語でホームステイ先の家族と会話を楽しんでいるのは土佐塾中学校の3年生、國本礼榎(くにもと・らいか)さん。

場所はアメリカ・カリフォルニア州。8月25日から9月1日までの留学の様子です。
この留学は英会話教室「ECC」とメジャーリーグ大谷翔平選手が共同で行った「ECC SHOW YOUR DREAMS 2025」というプロジェクト。子どもたちの世界への挑戦を後押ししようという2024年に続く2回目の取り組みで、全国から選ばれた50人の児童・生徒が1週間のアメリカ留学とホームステイを行いました。

國本さんは4歳のころからECCに通っています。最初は「習い事の一つ」でしたが、少しずつ英語のスキルを身につけていくうちに「将来、海外で働きたい」という気持ちが芽生えてきました。

(國本礼榎さん)
「英語の勉強は知らないことがたくさんあるので学んでいくのが楽しいです」

(ECCジュニアはりまや教室 講師 西森知佐さん)
「とても積極的にいろいろなことにチャレンジしてくれる生徒さんです。中学校になってからは弁論大会や暗唱大会とか、私が声をかけると積極的に参加してくれます」

(講師と英語でのやりとり)
「夜寝る前は何してる?」
「歯を磨きます」

大谷選手のプロジェクトには2024年も応募。2024年は選考からもれましたが、2025年は、1万人以上の応募者の中から、留学のチケットを手にしました。倍率は“約200倍”です。

(ECCジュニアはりまや教室 講師 西森知佐さん)
「高知県の代表、ECCの代表、はりまや橋教室の代表として行ってきてね」

(國本礼榎さん)
「がんばります」

(國本礼榎さんの母・志乃さん)
「これが5月にきた合格の結果です」

(國本礼榎さん)
「本当にうれしくてびびりました」

プロジェクトの選考は、作文と、英語のスピーチ動画で行われました。國本さんが書いた作文がこちらです。

◆國本さんの作文
「僕の夢は、海外で日本の家庭料理レストランを開くことだ。英語学習を通して外国の文化や習慣に触れ、海外には僕の料理が必要だと思い始め、海外で日本食を振る舞うことが、僕の夢になった」

料理に興味を持ったのは小学生の時。祖母と一緒に料理を作り、幸福感を覚えたのがきっかけでした。中学生になってから一人でも料理をするようになりました。

(國本礼榎さん)
「これは味がつきやすくするためです」

肉じゃがを作る過程でも、ひと工夫。食べてくれる人の表情や「おいしい」という言葉が何よりの喜びです。

(母・國本志乃さん)
「やわらかい、ジャガイモ」

(國本礼榎さん)
「よかった」

(國本礼榎さん)
「日本食は健康に良いし、季節ごとに違うので旬の食材とか、そこが良いところかなと思います。もっとうまくなって恥ずかしくないくらいの出来の料理を作りたいです」

いよいよ出発の日。東京で結団式が開かれ。参加者たちが一言ずつ、英語で夢を紹介しました。

(國本礼榎さん)
「僕の将来の夢は海外に日本食のレストランを開くことです」

(國本礼榎さん)
「初めて行く場所なのでワクワクがいっぱいです。ホストファミリーと会話とかするのもとっても楽しみにしています。ロサンゼルスで精いっぱい楽しんできます」

ホームステイ先はカリフォルニア州に暮らすグエンさんファミリー。初めての海外、初めてのホームステイ。國本さんはおみやげに「鳴子」を渡しました。

留学先では午前中に語学学校に通い、午後、観光や課外活動に参加しました。高知の文化を紹介したり、逆に、アメリカの文化を体験したり。現地でのコミュニケーションは想像以上に楽しいものでした。

また、楽しみにしていたドジャー・スタジアムでのメジャーリーグ観戦も。世界の舞台で活躍する選手のプレーを間近でみることができました。

8日間の日程を終え、高知に戻ってきた國本さん。留学前より、自信に満ちた表情に見えます。

(國本礼榎さん)
「びびらずに英語を喋るというのはアメリカに行って初めて経験することなので、たくさん伸びたと思います。(留学で)海外の良さとかたくさん知れたので、いろいろなほかの海外にも行ってみて、たくさん良い経験をしたいなと思いました」

(母・國本志乃さん)
「今回の留学が彼にとってすごく成長につながったと思うので、これからもいろいろなことに挑戦してもらって、自分が経験したことをほかの子どもたちに伝えていってほしいと思います」

初めての留学。世界への思いは、さらに大きくなりました。「海外で日本食のレストラン」、その夢に向けて、15歳の少年は大きな一歩を踏み出しました。