求められる「個体数の管理」「出没させない取り組み」
もしクマに遭遇してしまった場合、私達はどうすればいいのでしょうか?
まず、クマが近くにいる場合は、クマを見ながらゆっくりと後退してください。このとき、背中を見せて走って逃げてはいけません。

そして、至近距離で突発的に遭遇してしまった場合は、うつ伏せになって、両腕で顔や頭を覆い、できるだけ致命傷を防ぐことが重要です。
では、そもそものクマ被害を防ぐためにはどのようなことが求められるのか。兵庫県立大学の横山真弓教授は、二つ挙げています。

一つは、個体数の管理です。街に出てきたクマだけではなく、民家周辺に住む個体を捕獲して、数を減らす必要があると指摘しています。
そしてもう一つは、出没させない取り組みです。クマの好物である柿や、餌となるごみを適切に管理したり、農地に電気柵を設置したりすることが必要で、こうした二つの対策を同時に進めることが重要だといいます。
被害が相次ぐ中、国は2024年、クマを保護の対象から外して、指定管理鳥獣に加えました。シカやイノシシと同様に集中的に捕獲をして、数を管理していくという方針に変更したのです。

また9月からは市町村の判断で、市街地などでも猟銃を使用することができるようになりました。
昔話では、金太郎とクマが相撲を取るなど、日本人にとってはなじみが深い存在ですが、人とクマが共存できる知恵が今、求められています。