島根県松江市で、3万年前の地層からナイフ形の石器が出土しました。
今回の発見で、旧石器人は移動しながら武器を作って狩りをする、そんな生活の様子が分かってきたということです。

島根県埋蔵文化財調査センターは、松江市大庭町の団原Ⅱ遺跡から旧石器時代の石器とその製作跡が見つかったと発表しました。

見つかったのは地表からの深さ1メートル付近、およそ3万年前の地層で、地元産の石材「玉髄」で作られたナイフ形の石器や、山陽側から持ち込まれたと思われる「安山岩」の石器などおよそ140点が出土しました。

破片が集中して出土したことやそれが接合できることから、この場所で石器を製作したと考えられ、旧石器人は、石を持ち歩いたり、近くで出た石を加工しながら広範囲に移動していたと推測できるということです。

団原Ⅱ遺跡周辺では、これまでにも石器は見つかっていますが、今回、3万年前の地層から石器や破片などが見つかったことで、旧石器人の生活の様子やその範囲を知る大きな手掛かりとなりそうです。