「Cプロジェクト」でアシックス復権へ

出水キャスター:
そういったくらいスニーカーやシューズは日々進化していますが、今度は日本の「アシックス」に注目したいと思います。アシックスは「着用選手0人」という非常に厳しい時代もあったそうです。
2016年リオデジャネイロオリンピックでナイキの厚底シューズが流行、“ナイキ1強”時代が来ました。2016年までは、アシックスのシューズは人気でしたが、2021年の箱根駅伝では、アシックスを履く選手がゼロになってしまいました。

そこで巻き返しを図るべく、アシックスは「Cプロジェクト」という、プロジェクトを立ち上げました。この「C」というのは、再び頂上を目指すという意味の「C」になります。このプロジェクトは、「アスリートの声を聞く」ことを徹底したそうです。
長距離の選手の、▼歩幅を大きく取って走るストライド走法と、▼歩数を多く刻んで走るピッチ走法の走り方の違いに着目し、選手たちの声を基に「METASPEED」というシューズを開発しました。

すると、東京2025世界陸上において、男子マラソンでは上位20人中12人が、このシューズを着用。また女子マラソンでも、小林香菜選手をはじめ、選手全体の約3割が着用するまでに復権しているそうです。
今後も、徹底して選手の声に耳を傾けて、国際大会の表彰台を目指すというふうに力強く語ってくれています。こうした企業の皆さんの努力は、どのように感じますか。
木村文子さん:
選手のシューズの履き心地の感想や、細かい部分に耳を傾けてくれながら作成することは、今後も進んでいくと思います。また、寄り添ってくださる形は“日本企業ならでは”とも感じました。
井上キャスター:
かかとやつま先の1ミリは、どういったオーダーになるのでしょうか。
木村さん:
私の場合は、足の幅を細かく計測し、それを計算して算出したものを自分の走りの特性に合わせて、自分のオリジナルという形で作っていました。
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<プロフィール>
木村文子さん
陸上100mハードル元日本代表
2012年ロンドン・2021年東京オリンピック出場
現在は講演や解説などで活躍
昨年第一子を出産