石川県では能登半島地震の影響で去年から今年4月にかけて人口はおよそ1万人減少しましたが実は地震前から毎年1万人近く人口が減少しています。
この人口が「定住人口」と呼ばれるのに対して「交流人口」は、観光などで訪れる人たち、「関係人口」は、移住をせずに多様な形で継続的に県内と関わる人たちを指します。定住人口が減少する中、地域の新たな力として期待が高まっているのが「関係人口」です。
特集では関係人口を増やして地域を活性化しようと取り組む若者や二拠点居住という生活様式、県が今年11月に運用を目指す新しいサービスなどを取材しました。
9月7日石川県金沢市内のホテルには、若者たちが集まっていました。

初開催のイベント金沢U35「醸す場」は、県内外の35歳以下を対象とした関係人口を増やすための交流の場です。

関係人口は、災害ボランティアの活動や祭りでキリコの担ぎ手となるお祭りお助け隊などとして地域と関わり、過疎化が進む能登では、大きな力となっています。

イベントの主催者である畠山陸さんは3年前から能登を訪れていて、今年から金沢に移住し、カフェの開業準備をしています。
畠山さんの妻の杏佳さんは2025年8月から東京と金沢を行き来する二拠点生活を始めました。東京の人材会社で働きながらその合間を縫って金沢でのイベントを手伝っています。

二拠点生活の中で金沢が好きになったと話す杏佳さんですが…
二拠点での生活を想像しきれない点が不安だったと話します。「二拠点をしている人がいるようであまり周りにいないので実際何が大変なのかとか周囲が大丈夫なの?という声がたくさんあるのでえ?大丈夫かな?みたいな」

不安もあった二拠点生活ですが後悔はしていないと話す杏佳さん。
自分の居場所を一つに絞らない二拠点生活ですがその一歩を踏み出すには不安の声も。
長野県在住の女性「二拠点はしてみたいけど費用が高くて金銭面の問題が大きい。」
イベントを主催する畠山さんも初めは不安があったと話します。
畠山陸さん「これは自分の気持ちの問題なんですけど、自分はどの立ち位置の人なんだろうと。能登には関わっているけど能登の人間としては語りにくいな。逆に東京のことをそれだけ語れるか。東京にも月のうち何回かしかいないのにな」
関係人口の拡大を推進する石川県では新たなマッチングフォームの作成を進めています。VFこのマッチングプラットフォームは、地域づくりの担い手不足に悩む住民と特定地域との関わりを求める地域外の人を繋ぐサービスです。

地域団体などは県のサイトを通じて事業に関わりたい人材を募集でき、地域外に住む人が参加したい事業に応募する仕組みです。
石川県企画振興部・地域振興課課長「どう関わっていけばいいのかわからない人に地域側からここに関わってほしいと思っているんですよとメニューとして示すことで関わりが生まれる。」
サービス利用者はプログラムにどれだけ参加したかによってポイントを獲得することができます。

県企画振興部・地域振興課課長「もっとポイントを貯めようという行動意欲にもなるし、地域側からもどのくらい関わっているのかが見えやすいのでそういったところで関係性が繋がっていく。何度も来ようというモチベーションになるのではないか」
このシステムは今年11月の運用開始をめざしているということです。
関係人口の創出と拡大へ。民間と県の取り組みが加速しています。