自宅で小学生の娘の首を絞め、殺害しようとしたとされる母親の女の裁判。犯行の背景に、夫のギャンブルと、生活困窮があった。
殺人未遂の罪で判決を受けたのは、山口県の無職の女(40)。判決によると、女は自宅で四女(当時8)の首を絞めて殺害しようとした。娘は首にすり傷を負うなど、全治およそ2週間のけがをした。
山口地裁で開かれた初公判。女は黒髪のショートカットで、ベージュのTシャツ、七分丈のズボンをはき、うつむいた表情で法廷に現れた。女は首を絞めたことは認め「殺すつもりはなかった」と起訴内容を一部否認した。
夫が児童手当で競艇ギャンブル 4人の子どもが一時保護される事態に
検察側は冒頭陳述で、犯行に至るいきさつを説明した。女は夫との間に、5人の子どもを授かった。このうち被害にあった四女は、目がほとんど見えない先天的な障害があった。そんな中、夫はギャンブルにはまる。競艇に金をつぎ込み、生活費にまで手をつけるようになったという。貯金をすることができず、しだいに生活困窮に。
事件の8か月前、4人の子どもが児童相談所に一時保護された。その3か月後には、被害にあった四女の保護が一時解除された。しかし、夫はギャンブルを止めようとしなかった。貯金ができない状態は変わらないままで、女は精神的に不安定になっていった。