■“適法との認識”でサプリ購入「きちんと弁解できている」
3日の会見で新浪氏は、アメリカ出張の際にCBDサプリメントを「適法との認識」で購入したと説明。海外出張による時差ぼけがあり、「健康を守ってくれる知人から強く勧められた」と話しました。アメリカで買った理由については、「アメリカの方が安いから」と述べていました。
また、サプリメントが適法と判断した理由については、「内容を確認した」「体を見ていただいている著名な方も認めていた」と説明しました。この点について、亀井弁護士は「違法だと認識して入手」あるいは「違法のリスクを感じながら入手」した場合、罪に問われるケースがあると指摘します。
(亀井正貴弁護士)「『これは大麻である』と認識していればアウト。『違法と疑われるものかもしれない』ものでも、違法薬物の認識があればアウトです。ただ、新浪氏は具体的に成分を特定して、『大麻成分は入っていない』と明確に否定しています。その意味では、きちんとした弁解ができているということになります」
■捜査のカギは「LINE・メールなどのやり取り」
新浪氏のもとには、CBDサプリメントが2回届いたのではないかと言われています。
▼1回目
米国の知人→新浪氏の自宅に送った
⇒家族が廃棄したか
▼2回
米国の知人→福岡の弟を経由→新浪氏の自宅に送ろうとした
⇒知人の弟が逮捕
この知人の弟の逮捕がきっかけとなり、新浪氏に捜査が及んだとみられていて、新浪氏は2回目の郵送については「把握していない」と言及しています。亀井弁護士によると、問題になるのは1回目ではなく2回目だということです。
(亀井正貴弁護士)「1回目については“ブツ”がないため絶対に起訴できない。2回目については、知人の弟が逮捕されているので“ブツ”があり、それが大麻由来であることが鑑定できている」
この2回目の郵送で論点になるのは…
(亀井正貴弁護士)「新浪氏がこの2回目に何らかの形で関与したか、あるいは、知人やその弟との間で共謀がなかったか、そこが今後の論点になります。それは同時に、大麻であると認識していたか否かという論点にもなります」
捜査のカギとなるのは…
(亀井正貴弁護士)「一番欲しいのはLINE・メール・メモなど、口頭ではないやり取り。知人・知人の弟・新浪氏の3者で共謀を示すようなものがあるか否かがポイント。『これを入手してください』『〇〇円で買ったので送ります』といったやり取りがなければ、新浪氏が“白”だと決められます」
■「納得しないことにサインをする人ではない」
3日の記者会見で「そもそもサプリメントを所持も使用もしていない」「日本国内で輸入を指示していない」と主張した新浪氏。サントリーを辞任した理由については、「法に触れる行動をとっていないが、大好きな会社に迷惑をかけたくない」と述べました。また、サントリーはサプリメントを扱っている会社であり、信頼を失わせたくないという考えがあったようです。
(中村真千子デスク)「そもそも新浪氏は、納得しないことにサインをする人ではありません。その意味では、ご本人も『仕方がない』と思っているのでは。『潔い』『新浪さんらしい判断だ』と話している人もいました」
一方、経済同友会の代表幹事は辞任せず、当面は活動を自粛。透明性の高い仕組みに判断を委ねるとしていますが、経済界への影響は大きいようです。
(中村真千子デスク)「何人かの経営者に話を聞きましたが、経済界としてもかなりショックを受けているようです。また、経済同友会の代表幹事である新浪氏は大阪・関西万博の万博を運営する博覧会協会の副会長を務めています。今後、同友会に残るかどうか、それは万博の役職にも影響してくると考えられます」
■起訴・不起訴の判断時期は「読みにくい」
亀井弁護士は「8月22日に押収した物の解析は約1~2週間で終わるのでは」と指摘。起訴・不起訴の判断の時期については、「アメリカの知人女性の話もある、3者間の供述のやり取りもある。特に期限の縛りはないので、なかなか読みにくいですね」と述べています。