集大成のイベントで見えたものとは…

迎えた薬師さんの高校最後の夏。これから大学受験の準備に入るため、輪音としての活動はこの日が最後でした。

「ツナグDAY」は、輪音としての集大成。
「つなぐDAYスタート!」
薬師さんら輪音の思いに共感した県内の高校生およそ25人が協力に駆けつけました。

輪音 薬師子龍さん
「戦後80年となったことし、体験者の方が年々減少しています。この富山大空襲の記憶を後世へつなぐためには「今動くしかない」私たちはそのような思いで活動しています。これから平和を作るうえで何が必要か1人1人が自分の思いを持つ、そんなきっかけにしたいと思います」

イベントで多くの人をひきつけたのは、VRの体験ブース。

空襲警報が鳴り、人々が逃げ惑う様子、防空壕から外に出ると広がっていた焼け野原などが映し出されています。

VR体験した人
「何もかもが失われてしまう。戦争は無差別にすべてを失くしてしまう。いろんな人も生き物も。やってはいけないことだと」

VR体験した人
「こんなでかい建物があんなふうになるなんて。ありがとうございました」

高校生「私たちが伝えていくので」
VR体験した人
「私、友達が4歳の時に空襲にあっているんです。この下に彼女がいたのかなって思ったら、彼女の命をまもってくれたお母さんの気持ちを思って胸がいっぱいになりました。こんな企画をしてくれたことに本当に感謝します。ありがとう」

平和を願ってあんどんを作る体験ブースや体験者と高校生が意見交換をする対談ステージ。5時間にわたって開催されたこのイベントは、多くの人の心を動かし、そのバトンは確かに繋がっていました。

薬師さん
「私の曾祖母も戦争体験者だったんですけど、話を聞けず亡くなってしまって、体験者の方にお話を聞くのは今しかないという思いになって活動してきたんですけど、自分自身も最初は全く富山大空襲を分からずに、まずは知るところから順番に始めていたんですけど、この小さかった輪が少しずつ広がって、そこで出会った方がきょう訪れて輪音の活動を見てくださったっていうのがありがたいことですし、これからも続けてほしいなって思いました」

「どうかどうか伝えてよ、この重い、思いを」

歌の作詞作曲は、薬師さん。80年たっても世界のどこかで続く戦争。ひとりひとりが平和への意識を高めてほしいという思いが込められています。

♪~どうかどうか届いてよ、この祈りの種をどうかどうか繋いでよ

戦争を知らない世代が、次の世代へと繋いだ「つなぐDAY」。
多くの人々の心に、戦争のむなしさ、平和の大切さを刻みました。
