夏の思い出といえば、花火大会という方も多いのではないでしょうか。ただ、華やかな光の演出の一方で、物価や人件費の高騰、協賛金の不足により開催には苦労しているところが少なくないと言います。花火大会を守る思いに迫りました。

長野県箕輪町で開かれた、「みのわ祭り納涼花火大会」。盛大な花火が今年も夏の夜空を彩りました。

訪れた人は:「すごく迫力があってとても綺麗でした」


この花火大会の代名詞とも言えるのが、長いもので80センチほどの紙筒を人が抱え、炎が噴き上がる「手筒花火」です。

2002年に地元の有志が立ち上げた「みのわ手筒会」が自分たちでほぼ作り、披露しています。

町民が手がける手筒花火と、花火業者によるスターマインなどの打ち上げ花火。毎年2000人ほどが訪れ、親しまれてきた花火大会ですが、続けていくことは決して簡単ではありません。

みのわ手筒会 唐澤修一会長:「花火業界は協賛が少なくなってきて打ち上げができなかったり、打ち上げ場所が限られたりしている。伝統を守ることが難しくなってきている。コロナ明けは特に原材料が高くなってしまっていて、花火の原材料が20%ぐらい上がっているところもありますので、苦労している点ですね」

住民:「やっぱり日本の伝統行事なので、なくなるのは寂しいですよね。皆さんでマナーを守って楽しい花火大会をしてほしいですね。それが一番ですね」

住民:「花火大会というのは、お盆の伝統的なこともありますから、ぜひ続けていただきたいと思います」

「みのわ手筒会」では、小型の打ち上げ花火も花火師の資格がある自分たちで打ち上げるなどして費用を抑え、花火大会を守ってきました。

さらに、2025年は、花火大会の保全・継承を目的とした、大手ビール会社による「晴れ風ACTION」の支援も受けました。

この取り組みは、キリンビール「晴れ風」を購入したり、専用のホームページを閲覧したりすると、自治体に寄付金が贈られるもので、箕輪町では、花火や資材の購入費用などに充てるということです。

みのわ手筒会 唐澤修一会長:「私たちにとってみれば大変嬉しいことで、やはりそういう支援があることによって気持ち的に盛り上がってくる。会員の皆さんも喜んでいただけるという点ではすごくいい支援だと思います。年々ファンが増えてきて、またお子さん達の顔が見られるという点では大変嬉しいですし、熟年層の皆さんが夫婦で来られている姿も大変微笑ましいという点ではいいのかなと思っています」

長野県内では、箕輪町のほか、高森町の「市田灯ろう流し大煙火大会」も支援の対象になりました。

地元の熱意と、地域の花火大会を守りたいという支援の輪が、次の世代へ「夏の思い出」をつないでいきます。