丹精込めて育てた農作物を食べられてしまうなど、人里に現れる野生の動物による被害が問題となっています。
そうした動物の居場所を探り出し被害を未然に防ぐための画期的なツールの運用が、島根県川本町で始まっています。どんなものなのか取材しました。

島根県西部、中国山地にある邑智郡川本町の役場を出発した車が、山道を走り回ります。

川本町産業振興課 有害鳥獣対策係 宮田圭三さん
「20、30頭が、ちょうどここに…」

川本町では最近、ニホンザルによる農作物の被害が増え、問題になっています。
島根県中山間地域研究センターの2021年の調査によるとニホンザルは、県内13の市と町に63の群れ、2400頭程が生息し、数も増えているといいます。

サルは人里のカボチャやカキ、玉ねぎ、大豆などを狙い、おいしい所だけを食べるため被害にあうと、商品として出荷できなくなってしまいます。
そのため、農家はこれまで、イノシシ対策用に地面を掘られないよう板を張った柵の上に、サルが登れないように特殊な電気柵を追加する対策を取っていました。