学校だけじゃない「逃げ道を見つけた」

そして最優秀作品に選ばれたのは、不登校で「逃げ道」を見つけたという、中学3年生のひなさん。

ひなさんの作品
私はブスなんだ
何度も何度も自分を傷つけた
不登校にだってなった
何気ない一言で人は飛び降りるかもしれない
絵はどん底の私を救ってくれた
逃げ道を作った
幸せになれるように
逃げて
逃げれば
幸せになれた

ひなさんは小学生の頃、容姿に関するいじめを受けて不登校になりましたが、「逃げ道」となった絵がフリースクールの仲間などに評価されたことで、前向きになれたといいます。

アカウント名「ひな」さん(15)
「すごく心も軽くなったし、前よりもネガティブにならなくなりました。逃げた先に幸せがあるか分からないけど、自分で作っていくものだと思う」

自身も不登校を経験し、これまで400人以上の当事者を取材。この動画甲子園を企画したジャーナリストの石井しこうさんは―

不登校ジャーナリスト 石井しこうさん
「今でも不登校の子は『甘えてる』『怠け』という見方は当然強いんですけれども、私はぜひ不登校も『育ち方の一つ』として社会で位置づけられないかと思っています。学校に行かない道や、多様な選択肢を認められるようになるべき」

「不登校はハンディキャップじゃなくて、レアリティ(希少性)。自分でも不登校したことがプラスに働いているし、立ち止まった経験というのは、大人になった時に悪い財産ではない」

多くの子どもたちが明日から2学期。
「学校に行けない」ことを思い詰める必要は無いのかもしれません。