俳優キャリア30年のオダギリさん たどり着いた役とは…
9月公開の映画「THE オリバーな犬、(Gosh!)このヤロウ MOVIE」は、狭間県警鑑識課の警察官と、オダギリさんが演じる警察犬・オリバー【画像④】が難事件に挑む物語。

ー映画でオダギリさんは監督・脚本・編集・出演の1人4役を務めました。現場はどのような雰囲気で撮影進められましたか
(オダギリジョーさん)
「『雰囲気はいい』とは思いますけど、内容が笑いもあったりコメディー要素もあるので、みんな楽しくやってはいますが、僕が監督として、いっぱいいっぱいなので、僕だけちょっとピリピリとは違うんすけど、楽しんでいる余裕はないみたいな感じですね」
「意外と“コメディー”とか“笑い”とかって間とかタイミングとかニュアンスがずれると、全然笑えなかったりするんすよ」
「だから、結構役者もその辺はわかっているから、コメディーだからみんな楽しくやってるかっていうわけでもなく、ちゃんと正しいところに当てないと笑いが起きていかないので、結構シビアな芝居でもありますけどね」

ー監督をされる上で大切にされていることは
(オダギリジョーさん)
「いや、ないですけどね。監督の作業が一番嫌いなんですよ。脚本を書いたりはすごく個人作業だからおもしろい。自分のペースでやれるじゃないですか」
「ただ監督って現場で、本当100人近い人たちの相手を全ての人の視線がこっちに向かってくるので、それに全部答えなきゃいけないし、コミュニケーションを取っていかなきゃいけないので、自分にとっては本当に一番合わない作業です」
「現場では、自分の中の9割ぐらいはもう監督モードになるじゃないですか。作品の責任を負ってるので、もう1カットも失敗できないっていう。ストレスを抱えるので、9割監督なんですよ。残りの1割でオリバーを演じていて」
「だから、オリバーを演じることは、あんまり意識的ではないかもしれないですね。もう、現場を進めていくのに必要な作業の一つであって、楽しみとかではないです」