■陸上・ダイヤモンドリーグファイナル(日本時間29日、スイス・チューリッヒ)

世界の強豪が集うダイヤモンドリーグ(DL)の成績上位者のみが出場できるDLファイナルがスイスのチューリッヒで行われた。昨夏のパリオリンピック™金メダリスト・北口榛花(27、JAL)は、60m72の投擲で6位に終わりDLファイナル3連覇はならなかった。1投目で64m57を記録したエリナ・ツェングコ(22、ギリシャ)が優勝した。

北口の1投目は56m62、2投目は少し伸ばして59m18。4投目で59m72を記録すると、最終6投目で初めて観客に手拍子を求め、60m72をマークした。今季ベストの64m63に3m91及ばない投擲で、23年のユージーン大会、昨年のブリュッセル大会に続くDLファイナル3連覇はならなかった。

「50m飛ぶか飛ばないかぐらいの練習をしていたので、今日やっと50m以上、すごく低いラインではあるんですけど、これから世界陸上に向けて、少し自分が戻ってきてるっていう手応えはありました」と、安堵の表情を見せた北口。

右ひじの炎症について「もう一度痛めたら戻れないっていう不安が一番大きくあって」と胸中を明かしたが、「どうしても世界陸上には出たいですし、そこでいい記録を投げられたらベストだと思ってるので、それまでにもう1回怪我してはいけないっていうそういう気持ちが一番大きい」と話した。

「今も苦しい部分もも多いんですけど、東京でせっかくやるなら、元気に楽しくピットに立ちたいっていう気持ちがあるので、そうなれるようにあと2週間頑張りたい」と、9月13日開幕の世界陸上へ向け、笑顔を見せた。

今季の北口は、5月のセイコーゴールデングランプリで64m16をマークし大会連覇。6月のDLオスロ大会でも今季ベストの64m63で制し、順調な調整ぶりを伺わせた。しかし、その後に右肘の炎症が発覚し、7月の日本選手権を欠場。約2か月ぶりの実戦復帰となった21日のDLローザンヌ大会では、2投目で50m93マークしたが3投目は49m65と記録を伸ばせず。上位8人による4投目以降に進めずに10位で終えた。