否定し続けた「介護疲れ」

裁判では、一貫して「介護疲れ」を否定した。

検察官 この生活に疲れて、心菜がいなければと思ったことは?
母親 ないです。
  (介護生活は)大変でしたけどすごく楽しくて
   ヘルパーさんや看護師さんなどに出会って
  『こんなに優しい世界があるんだ』と自分の汚い心が洗われるような、
   忙しいけど本当に楽しい日々でした。

検察官 心菜さんの存在を負担に思ったことは?
母親  一切無いです。

検察官 どんな存在?
母親 人生で初めてできたかけがえのない宝物。
   心菜のためなら何でもできるという感じです。

母親は、”娘のせいで事件を起こしたわけではない”と、強く主張したかったように思えた。

検察官 看護師やヘルパーに相談しようとは思いませんでしたか
母親 話そうと思ったけど、
   夫は心菜の面倒をみるいいパパ像ができあがっていたので、
   それを崩したくないと思って言えませんでした。