経済制裁を受ける北朝鮮でいま、大規模な都市開発が進められています。背景にはロシアに兵士を送る見返りに獲得した外貨があるとみられています。
きょう、中国の長春で開幕した貿易促進のための展示会。日本や韓国も参加するなか、北朝鮮からは絵画が展示され、開幕式には北朝鮮の外交官も出席しました。
対外的な経済活動を活発化させる北朝鮮。国内では、いま大規模な開発事業が相次いで進められています。
今年6月には、東部でビーチリゾートが完成。金正恩総書記はビーチパラソルが並ぶ砂浜やウォータースライダーを視察しました。およそ2万人を収容できるホテルも用意されているということです。
こうした北朝鮮の開発事業は、中国との国境沿いでも確認できます。
記者
「あちら、北朝鮮側なんですけど、高層のビル群が立ち並んでいます」
このエリアは去年7月、洪水で壊滅的な被害を受けましたが、わずか1年で街が誕生。
記者
「かなり多くの作業員が堤防の建設作業に従事しているようです」
中国・丹東の市民
「(北朝鮮は)農園を作っています。奥の方にもたくさん作られています」
各国から経済制裁を受けている北朝鮮ですが、なぜ、大規模な開発事業を進めることができるのでしょうか?
慶應義塾大学 礒崎敦仁 教授
「(北朝鮮は)ロシアに大量の武器を売って、派兵をして、その見返りとして、相当な外貨も得ている。戦争特需と言っていい」
北朝鮮がロシアから得た経済効果は、およそ3兆円にのぼるという分析もあり、その一部を都市開発にもまわしているというのです。
そして、中国との経済交流も再び活発になっています。
机を北朝鮮に輸出するというこちらの工場では、去年から取引が増えたといいます。
家具工場の担当者
「(北朝鮮側から)去年、600万元(約1億2000万円)の発注がありました」
ベッドを輸出しているという家具店も…。
家具店の担当者
「頻繁に北朝鮮に出荷しています。北朝鮮との取引は全て先払いです」
今年上半期の中国から北朝鮮への輸出額は去年よりも増加。家具やビーチパラソルなどの輸出が増えていて、北朝鮮の開発事業で使われているとみられています。
ロシアに急接近しながら、中国との貿易も積極的に行う北朝鮮。その思惑とは…。
慶應義塾大学 礒崎敦仁 教授
「中国ともロシアとも、それなりの距離を保ちながら自主路線を歩む。自らの道を歩むというのが(北朝鮮にとっての)あるべき姿」
相次ぐ大規模開発からは、ロシア、中国の間でしたたかに立ち回る北朝鮮の姿が浮かび上がります。
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