23日は、広島県竹原市の夏の風物詩「たけはら夏まつり花火大会」が開かれました。40年以上続く大会ですが、竹原市はこの40年で人口が6割程度に減少し、少子高齢化が進んでいます。それでも、地元を盛り上げようと若い世代もがんばっています。
近藤志保 記者
「竹原出身者にとっては毎年楽しみな花火大会の日です。打ち上げの4時間前ですがこちらの会場では、多くの人でにぎわっています」
運営メンバーの一人、鴨宮康仁さん(37)は、地元でこども園を経営しています。鴨宮さんが小さい頃にあった地域の行事は、地元の店の閉店や担い手不足により、どんどん減ってきています。
そんな中で、地域の人たちに花火大会をもっと楽しんでもらおうと始まった取り組みもあります。花火を間近でみることができる海沿いの遊歩道は、入場できる人数が限られます。

そこで、小さな子どもも安心して楽しめるようにと、打ち上げ場所から約2キロ離れた総合公園に、サブ会場がつくられました。鴨宮さんは2年前の立ち上げ当初から関わっています。
鴨宮康仁 さん
「初めの年は全然来ないだろうなと思っていたけど、めっちゃきてびびった。去年もそれなりに来た」
鴨宮さんと一緒に運営に携わる、地元タクシー会社の山下峻社長(34)は、府中町出身の元プロ野球選手。引退した後、広島に戻り、5年前から竹原で働くようになりました。地域にすっかり溶け込んでいます。
山下峻 さん
「竹原の人は温かくて。竹原の方たちってみんな私を使っていただいて、日に日にガリガリになっていくんですよ。はははは」
こういった地元の若い世代が、会場を盛り上げます。竹原で花火大会が始まったのは、1980年。夏の風物詩を継続させるために難航するのが資金繰りです。
竹原市 産業振興課 置名拓真 さん
「協賛金を集めるのも難しくなってきていますし、物価高騰もあって、従前どおり花火大会を開催するのが難しくなっている中で、今回このような晴れ風ACTONを活用させていただきたいなと思いました」
キリンビールは、「晴れ風」の売上げの一部を、花火など、地域の風物詩の保全・継承に活用しています。竹原市もこの活動に応募しました。
竹原市 産業振興課 置名拓真 さん
「助かる。当日の警備の人件費であったり、花火費に活用していきたいと考えています」