フェンダーからドアへ。対策をかいくぐる「CANインベーダー」の手口

――盗まれる際の手口は、どのようなものがあるのでしょうか。

SUV専門店の男性:
300に関しては、当初は左側のフェンダーハウスのカバーを外して、そこから左ヘッドライト付近にアクセスして車を持ち去るというものでした。それが市販品などで対策され始め、メーカーもある程度対策したんでしょうね。

SUV専門店の男性:
すると今度は、助手席側のドアに穴を開けて、違う部分からアクセスするという話を聞いています。

――ドアに穴を開けて、そこから何をするのでしょうか。

SUV専門店の男性:
そこに特殊な機械を接続するのだと思います。その機械を配線に接続して、「CAN」と言われるシステムにアクセスする「CANインベーダー」という手口ですね。それで施錠を解除したり、エンジンをかけたり、イモビライザーなどを解除したりする。解除した後に、スピーカーを外すなど、次の段階に入るんじゃないですかね。

――なぜ、わざわざドアに穴を開けるという方法をとるのでしょう。

SUV専門店の男性:
一番簡単に、車を大きく壊さずにアプローチするのが、元々はタイヤハウスだった。それが対策されたことで、次にどこかとなった時に、おそらく助手席側からアプローチする方法になったのだと思います。パワーウィンドウのスイッチか、そっち系のどこかに接続するんじゃないか、というふうにはちらっと聞きました。

――できるだけ車自体に傷をつけずに、ということですね。

SUV専門店の男性:
そうだと思います。今まではタイヤハウスのカバーだけだったので、修理に数千円で済んだのが、対策されたことで、次はドアになった。ドアも本当に手の入るギリギリの大きさ、10cm四方と聞いていますが、その大きさにして、後で修復して直すということなんじゃないですかね。