ただ、戦争中だという現実を痛感させられる場面にも遭遇しました。前線から離れ日常の光景が広がっているように見えた西部の街リビウを訪れた時のことです。桑原さんは当時、ライブ配信で「果たして何を待っているのだろうな。仕事終わりのバス待ちかな」と語っていました。しかし、目の前の“市庁舎前に集まる人たち”は、バスを待っていたのではなく、戦死した兵士を乗せた車列を見送っていたのです。

桑原さん「戦争で人が亡くなっているのは数字では理解していましたが、現実に人々の人生に影響しているというか、まだ戦争が終わっていないと実感しました。その瞬間だけまったく雰囲気、空気が変わっていました」