■国際線が戻って来ない...観光地も旅行会社も「死活問題」


観光地にとって、「国際線の運休」は死活問題です。


岡山県内有数の観光名所・倉敷美観地区に隣接するホテルでは、「国内の需要」はコロナ以前まで回復しましたが、年間15%を占めていた「外国人旅行者の宿泊」は、多くが岡山空港直行便の利用者だったため、いまでも「ゼロ」といった日が少なくありません。


(倉敷国際ホテル宿泊課 桑原 猛 課長)
「岡山空港を利用して来る客も、多くコロナ前はいましたので、国際線が再開されるとそういった客も増えてくるのかなと。2017年度・2018年度は、1カ月に訪日観光客が500人とか宿泊していたので、戻ってくるとうれしい」

■旅行会社は「海外旅行ツアーが組めない」

「羽田経由で海外へ」...岡山から見た羽田は、上海・ソウルの “逆方向”


また、旅行業界にも影響が出ています。岡山市にある旅行代理店の棚に並ぶのは、国内ツアーのパンフレットばかり。。。県外の空港を利用しての海外ツアーは、ごくわずかです。


以前は、岡山空港直行便を利用した、韓国や台湾のツアーも扱っていましたが、飛行機が飛ばなければ計画も立てられない状況です。


(JTB ツーリズム事業本部 藤田 めぐみ さん)
「まだまだ、私たちも商品が具体的な計画と言うのが立っていないので、航空路線が充実して、ツーリズムが復活してほしい」


「検疫体制の整備」「人手不足」「需要の回復」など、国際線再開に向けて課題は山積みの岡山空港です。

(岡山県航空企画推進課 森 晃章 課長)
「課題がいつ解決できるかは、目途が立っていない状況です」


「国際線が再開しても、最初から以前のようにデイリー運行されることは、必ずしもそうではないと考えているので、『需要喚起』というのに取り組まなければ以前のような状況にはなかなか戻らない」


コロナの感染状況を見据えつつ、安心・安全な海外への旅の環境整備をハード面・ソフト面共に着実に進めていかなければ、岡山空港の国際線再開は難しいのが現状のようです。

いまのところ岡山空港発着のソウル線と台北線はすでに今年12月31日まで、上海線と香港線は、来年3月25日までの運休が決まっています。