福岡は他都市より事業者への影響大か 人手不足加速するおそれも
今回の最低賃金の引き上げについて、九州経済を分析する専門家は、福岡県は事業者側が受ける影響が他の自治体よりも大きい可能性があると話します。
九州経済調査協会 松嶋慶祐さん
「現状、比較的賃金水準が低いのは小売業やサービス業が大きいです。福岡は特にサービス業の就業比率がほかの都市よりも大きい特徴もあるので、主に中小企業になりますが広くいろいろな企業にコスト増の影響が及ぶというふうに考えていいと思います。企業にとっては食品とか資材などさまざまなコストが上がっていく中で、さらに人件費が上がっている意味では、中小企業の経営はリスクとなる可能性が高いと思っています」
また、最低賃金が上がることで、いわゆる”年収の壁”に到達するスピードが早くなり、一人当たりの労働時間が減少し、人手不足が加速する恐れもあるということです。

九州経済調査協会 松嶋慶祐さん
「賃金水準が上がってしまうと今よりも人を雇いにくくなったり、労働時間を長くしづらくなったりがあります。所得水準が上がると106万円の壁とか年収の壁に達するスピードも当然早くなってきます。現状人手不足が続いている中で、さらに労働時間を調整せざるを得ないので、企業にとっては厳しい状況になる」