広がる脅威 タイワンハブの生息域拡大

左:タイワンハブ、右:沖縄在来のハブ

タイワンハブは元々、中国大陸南部から台湾にかけて生息するヘビで、沖縄在来のハブと比べて細くて小さいのが特徴。しかし沖縄在来のハブと同様に強い毒性を持ちます。それだけに、“やっかい” な存在です。

▼県衛生環境研究所ハブ担当・寺田考紀主任(取材当時)
「在来のハブは130センチぐらいですけど、タイワンハブは標準サイズが80から90センチぐらい。かなり小さいですね。在来のハブに比べたら地味な体色をしていて、じっとしていたらなかなか目に入りにくい」

1970年代頃から、漢方薬やハブ酒作りのために名護市に多く輸入されていたものの一部が逃げ出し、野生化したとみられるタイワンハブ。

1995年には名護市のみが生息域とされていましたが、2005年にはその南の恩納村でも確認されるようになり、2012年以降は名護市より北の本部町、今帰仁村へと分布を広げていることが分かっています。

毒性の強さは在来ハブと同程度。嚙まれると危険だ

特定外来生物として定期的に捕獲されるようになり、2015年までの約13年間で1700匹以上を捕獲。1日で20匹を捕獲したという記録もあります。

それが今、じわじわと生息域を広げ、ヤンバルクイナなど多くの希少生物が暮らす国頭村にも定着しているかもしれないのです。