昨年度、宮城県が設置する3つの病院すべてが赤字となったことが分かりました。医業収益は前年度より増加したものの、人件費などの費用も増えて経営を圧迫していて、県は財政支援を検討する方針を示しました。

21日の県議会環境福祉委員会では、県立の3つの病院について昨年度の決算状況が報告されました。それによりますと、県立こども病院は5億7100万円、県立がんセンターは4億9900万円、県立精神医療センターは1億1400万円、それぞれ赤字となりました。いずれの病院も病床利用率の低迷が続いていて、コロナ禍前と比べ5~7ポイントほど低くなっています。

医業収益が前年より増えたものの、人件費や材料費の高騰などで費用も年々増加していて経営を圧迫しています。議員からは、診療報酬の引き上げを引き続き国に要望することや、県としてさらなる財政支援の検討を求める意見が上がりました。

県保健福祉部 志賀慎治部長:
「収益面では非常に頑張っている。前年よりも伸ばしている。ただそれに追いつかないほど費用が出てしまっている。公立病院、自治体病院の役割に鑑みた特別な考え方が取れないかは国に申し入れている」

県は今後の病院運営に危機感を示し「財政支援の検討にも入る必要がある」と言及しました。