急転…『請求を受け入れ』国が幕引き 雅子さん「ふざけんな!」

 改ざんの具体的なやり取りは明らかになったものの、雅子さんは、ファイルに残された内容をより明らかにすべく、裁判を進めていました。しかし、去年12月に事態が急転します。国側が突然請求を受け入れ、賠償金全額を支払うと明らかにしたのです。これにより、公文書改ざんと俊夫さんが自ら命を絶った因果関係は明らかにされないまま、国に対する裁判が終わってしまいました。直後の会見で雅子さんは怒りを露わにしました。

 (赤木雅子さん 2021年12月)
 「ふざけんな!と思います。お金を払えば済む問題じゃない。こんな形で終わってしまったことが悔しくてしょうがない。私は夫がなぜ死んだのか、なぜ死ななければいけなかったのかを知りたい」
赤木雅子さん(2022年11月)
 国の請求の受け入れから11か月が経ち当時の思いを改めて次のように振り返ります。

 (赤木雅子さん 2022年11月)
 「あのとき(認諾)は頭が真っ白になっちゃったんですけど、よく考えると国は全力で隠したいんだなというのがわかりました。何を隠してるんだろうというのはすごく知りたくなります。ショックですね。それも非公開の協議の場でしたので、何が起きたのか一般の人には見ることができない。公開されない中でああいうことをして、認諾した瞬間に出ていくんですよね。本当に忘れられない光景でした」

望みをかけた「佐川氏への『尋問』」認められず…悔しさ滲ませる

 唯一残された佐川氏への裁判。2022年5月に雅子さん側は、佐川氏本人や部下などの『尋問』を求めましたが、裁判長は「採用しなくとも判断は可能で不必要」として却下され、尋問が認められませんでした。当時感じた悔しさを雅子さんは次のように振り返ります。

 (赤木雅子さん 2022年11月)
 「やっぱり佐川さんの話が聞きたかった。とても残念です。夫の命をかけてやったこと、こうやって手記を残して命を落としてまで伝えたかったのに…。佐川さんに出てきてもらって、誰から改ざんという言葉があったかなかったのか、昭恵さんの名前や自分の名前を消せとか、もしかしたら安倍総理が言ったかもしれない。誰がそれを言ったのかを知りたい。法廷で語れないのだったら私や夫に直接会って手を合わせて話してほしい」

 提訴から2年8か月が経過した財務省の公文書改ざんをめぐる訴訟。「真実を知りたい」と追い続けた雅子さんの思いは法廷に届くのでしょうか。判決は25日午後に言い渡されます。