新垣有絃が初めて野球を始めたのは、小学1年生の頃。元高校球児だった父・盛之さんの影響で、今大会1塁を守る兄・瑞稀と一緒に、地元の少年野球チーム「世名城ジャイアンツ」に入団した。

グローブの形をしたソファで写真に納まる新垣兄弟

家族によると、幼い頃から大人しかった新垣有絃だが、野球になるとライバル意識を燃やす、人一倍負けず嫌いな性格。練習試合が終わってもなかなか家に帰らず、兄弟でいつまでも白球を追いかける幼少期を過ごした。

その後投手として頭角を現し、東風平中学時代に全国大会に出場。高校でも甲子園出場を目指し、沖縄尚学に進学した。

世代屈指の左腕として全国から注目を集める末吉良丞をはじめ、チームの好投手たちと切磋琢磨しながら、エースの座を争ってきた。

左のエース末吉は全国でも高い注目度

末吉良丞:
「やっぱり同学年のピッチャーとして、チーム内でもライバルだと思っているので、そういうところでは負けない気持ちがあります」

新垣有絃:
「良丞だけじゃないんだぞという気持ちで投げて、一緒に抑えられたらいいと思います」

静かに闘志を燃やす新垣有絃は今大会、全国の強豪相手に11イニングを投げ失点はわずかに1。

今大会11イニング1失点の新垣

大舞台で成長を見せる活躍にも、アルプスから活躍を見守った母、由紀子さんは東洋大姫路戦の息子の投球に、「四球が多かったから60点かな」と厳しい評価。(この日与四死球4)

それでも、ロースコアゲームで強豪相手に流れを渡さなかった好投が沖縄尚学の快進撃を支えていることは疑いようがない。21日の準決勝にも左右の2年生エースに期待がかかる。