「日本サッカーの父」と呼ばれたドイツ人がいます。


東洋工業蹴球部で日本代表選手として選出され、後に日本代表監督も務めた下村幸男さんに影響を与えたのが、東京オリンピックの日本チーム強化のためにドイツから来日したデットマール・クラマーさんです。

元日本代表監督 下村幸男さん
「当時の日本の代表の監督・コーチもね、それほどサッカーをこうしろという指導はしていないんですよね」


「それが、クラマーさんが来て、いや、蹴り方からボールの止め方からこういうふうにやるんだということ、見本を示しながら指導した。初めてサッカーというのに接したようなことなんですよ」


日本とドイツの親善試合が行なわれて103年…。


ことし、サンフレッチェ広島は、ドイツ代表のコーチも務めたドイツ人・スキッべ監督が率いました。


今シーズン終了後、スキッベ監督は、似島を訪れ、歴史を学んだほか、地元の子どもたちとサッカー交流をしました。


サンフレッチェ広島 仙田信吾 社長
「広島の似島のドイツ軍捕虜の歴史まで深掘りをしてくれて、似島に渡ってくれたっていうのは、また、うれしい話ですね」

代表監督を務める森保一 監督は、「サッカーは平和を発信するという大きな役目がある」と話します。


仙田信吾 社長
「まさに広島のサッカーを強くしてくれたドイツと、初めてワールドカップの監督に臨む森保さんが戦う」


「そのドイツは、広島にもともと、サッカーを教えてくれた故郷のような国だった。たいへんな縁を感じる。しかし、勝ってこその恩返しですよね。勝ってほしいと思います」


広島での初の国際試合からおよそ100年…。世界最高峰の舞台で、日本はドイツに歴史的な1勝を挙げました。