海上保安庁の航空機が13日、石川県輪島市の能登空港で訓練を行っていたところ、プロペラが滑走路に接触し、運輸安全委員会は事故につながりかねない重大インシデントとして調査に乗り出しました。地震で変形し、修理が終わっていない滑走路にプロペラが接触したとみられることが分かりました。

運輸安全委員会によりますと、13日午後2時ごろ、海上保安庁新潟航空基地所属の航空機が能登空港で連続して離発着を行う、いわゆる「タッチアンドゴー」の訓練を行っていたところ、左側のプロペラが滑走路に接触しました。

海上保安庁によりますと当時は副操縦員の訓練中で、乗っていた6人はプロペラの接触に気がつかなかったということです。

損傷が見つかったプロペラ=第9管区海上保安本部提供

航空機はそのまま新潟空港へ向かい、飛行後の点検でプロペラの先端部分が1センチから2センチほど曲がっているのが見つかりました。

能登空港の管理事務所などによりますと、滑走路は去年1月の地震でゆがみが生じ、民間機に影響がある部分はすでに工事が終わっていますが、今回は工事が行われていない7か所のうち1か所に着陸したとみられます。

調査に入る運輸安全委員会の航空事故調査官=新潟市東区の海上保安庁新潟航空基地、15日午前

運輸安全委員会は、事故につながりかねない重大インシデントに該当すると判断し、航空事故調査官2人が15日、新潟航空基地で調査に入りました。

報道陣の質問に答える田上啓介航空事故調査官=新潟市東区、15日

田上啓介航空事故調査官は「重大インシデントは着陸時にとなっているので、それも含めて今後の調査でどこでどんなふうに何が起こったか予断を排して調査する」と述べました。

16日は能登空港でも滑走路を確認する予定ですが、民間機への影響はないということです。