外国人観光客の入国制限など水際対策が緩和されてから1か月あまり。インバウンド回復への明るい兆しはあるものの、本格的な復調とは言えない状況です。

大分県別府市にある「野上本館」。この日、朝食会場には韓国やタイなどアジアを中心に外国人宿泊客の姿がみられました。

(韓国からの宿泊客)「コロナのせいで日本に来る予定が来年、来年と延びた。やっぱりうれしいです」
(韓国からの宿泊客)「日本の旅行が好きなので入国できるのはいいことです」

リーズナブルな価格で「和」を堪能できると、人気の「野上本館」。10月11日に入国制限が緩和されて以降、海外からの宿泊は4割程まで回復。コロナ禍前の水準に近づきつつあるといいます。

(野上本館・野上泰生社長)「日本が好きな人たちにいっぱい来てもらっているのでうれしい。(朝食は)今まで和食中心だったけど洋食もそろそろスタートさせて選べるように外国人にあわせた対応を今後しようと考えている」

大分県が発表した調査結果では、県内に宿泊した10月の外国人観光客数は1万3000人以上。国別では韓国が9000人を超え最も多く、コロナ禍前の1.6倍。一方、中国や欧米などは去年より大幅に増えているもののコロナ禍前の水準には至っていません。

別府市の観光スポット、海地獄でも徐々に外国人観光客の姿が増えてきました。

(オーストラリアからの観光客)「コロナ禍前の4年前に1度来たことがあるけどパートナーは初めてです。ただただ素晴らしい」
(シンガポールからの観光客)「シンガポールから来ました。東京や大阪、京都は行ったことあるけど、九州は初めて。気に入りました」

ただ、コロナ禍前には8割を占めていた外国人観光客は2割程に留まっています。「ゼロコロナ政策」で中国人客が戻ってきていないことが大きな要因とみられます。

(海地獄施設運営部・矢野義広部長)「以前のにぎわいまでは、外国人客はそこまで多くない。(海外から)いろんな問い合わせは多くなってきているので年が明けるとだいぶ増えてくるのでは」

明るい兆しはあるものの本格的な復調はこれからとみられる大分県内のインバウンド。今後は、幅広い地域からの受け入れと、多彩な観光ニーズへの対応が、回復のカギとなりそうです。