海水温の上昇で養殖のホタテやホヤが被害をうける中、宮城県女川町では、新たな特産物にしようと、高級な寿司ネタのトリガイの養殖に挑戦することになりました。15日は、陸上で育ててきた稚貝を、海上のいけすに吊り下げる作業が行われました。

宮城県女川町の指ケ浜漁港で行われた作業では、まず、4mmほどにまで育ててきたトリガイの稚貝約50個を、大きなかごに移しました。

稚貝を生産したのは、2024年7月、町の地域おこし協力隊となった長谷川翔亮さんです。大学で環境学を学んだ長谷川さんは、比較的高水温に強く、1年で出荷が可能となるトリガイに着目し、女川湾で取った天然の親貝を基に稚貝を育ててきました。

指ケ浜地区では、海水温の上昇で養殖ホタテやホヤが打撃を受けています。漁師たちは、新たな特産物にしようと、トリガイの養殖に大きな期待を寄せています。

漁師:
「(海水温上昇で)既存の養殖物の減少に代わって、トリガイの養殖が成功するか分からないが、期待してやっていきたい」

女川町地域おこし協力隊 長谷川翔亮さん:
「トリガイは、二枚貝類の中で一番成長が早い。日本国内でトリガイの成育に最適なのが、昨今の環境変化もある中で東北以北なのではないか」

この後、船に乗り、かごに入れた稚貝を漁港内のいけすに吊るしました。

トリガイは、高級な寿司ネタとして需要が高く、県内では七ヶ浜町でも養殖されています。女川町では、6か所の浜で新たに養殖に取り組み、2026年7月の出荷を目指します。
