第一次世界大戦の最前線で敵対する兵士たちがクリスマスを共に祝ったという「クリスマス休戦」と、阿嘉島ウタハの浜で捧げられた平和の祈りには、共通する大切なメッセージがあると感じたのだ。
戦後80年目の慰霊の日に始まった日英共同研究
2025年6月23日、沖縄戦終結から80年目の慰霊の日。阪井教授とニコラス教授は平和祈念公園に「平和の礎」を訪れた。沖縄戦について学ぼうと、戦争体験者の証言を聞き、悲しい集団自決が起きた読谷村の自然壕「チビチリガマ」にも足を運んだ。
チビチリガマでニコラス教授はこう語った。

ニコラス・ネゴラン教授:
「ここはとても悲しくて不思議な場所です。美しい環境で、とても平和で静か。木々や蝶々、鳥のさえずりがある。そしてここは記憶の場所であり、過去の悲劇を思い出す場所でもあります。同時に、平和の場所でもあります。私たちはここで祈り、もう二度と戦争のない世界を願うのです」
予期せぬ出会い ―― 80年前の交渉に参加した兵士の息子
6月25日、調査チームは阿嘉島へ向かった。島に着いた調査チームに思いがけない情報が飛び込んできた。ウタハの浜へ行きたがっているアメリカ人がいるというのだ。
そのアメリカ人男性の父親は、なんと80年前の休戦交渉に参加していたという。