星さん「退陣のタイミングではないか」“戦後80年メッセージ”発表のタイミング

高柳キャスター:
そんな中、石破総理は8月6日に広島で「形式についてはよく考えたい。どの時期が最も適当なのかをよく考えてまいりたい。どうすれば戦争が起こらないのかを、50年・60年・70年談話を踏まえた上で私として考えてまいりたい」と発言しました。
総理談話として発表しないとなると、「形式と時期」はどういった形になるのでしょうか。

TBS報道局 政治部 中島哲平 官邸キャップ:
形式については、閣議決定が必要な総理談話は出さず、会見なのか、講演、演説などどのような形になるのかは、まさに今検討を進めているようです。

時期については、今注目されている時期としては、「終戦の日である8月15日の全国戦没者追悼式」があります。取材をしていると、多少アレンジする部分があるものの、基本的には例年の挨拶を踏襲した内容になり、何か新しい見解を発出することはないようです。
ほかに、その後の「8月下旬」はどうなるかと言うと、自民党内では参議院選挙の総括や、自民党の総裁選の前倒しについての議論がこれから始まり、「石破おろし」という声もある中で、見解を発表することは難しいのではないかと考えられます。
もう1つ注目されている時期が「9月2日」です。なぜこの時期が注目されているのか。石破総理が国会の予算委員会でこのように答弁しています。

石破総理(8月5日 参院予算委員会より)
「私自身は議論がございますが、8月15日は“戦闘”が終わった日。実際に戦争が終わったのは、東京湾に入ってきた合衆国の戦艦ミズーリの上で降伏文書に調印をした、戦争が終わったのはその日(9月2日)だという考え方もございます」

TBS報道局 政治部 中島哲平 官邸キャップ:
石破総理は8月15日について、「戦闘」が終わった日で、「戦争」が終わった日は「9月2日のミズーリ号で降伏文書に調印した日だ」という考えを元々持たれている方です。
そのため「9月2日に何かやるのではないか」という見方もあります。しかし、9月2日というと、ロシアや中国といった戦勝国が、いわゆる戦勝の記念行事などを行うことがあるので、そのタイミングで見解などを発表するのは難しく、9月2日以降のどこかのタイミングで何らかの見解を発表するのではないかという見方が優勢になっています。
井上キャスター:
いつ、どのような形でメッセージを出すのかというのは、もちろん世界中にもそれがメッセージとして伝えられるわけですけど、石破総理は自分自身が総理の立場にいつまでいられるのかも含めての考えになるわけですか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
9月2日のロシアや中国の戦勝記念日にぶつけるというのは、私はどうも不自然だと思います。ですから、総理のメッセージは、遠からずあるであろう石破総理の退陣のタイミングに、「自分は戦争についてはこう思うんだ」という見解を出すのではないかと見ています。
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〈プロフィール〉
中島哲平
TBS報道局政治部 官邸キャップ
2017年から石破氏を担当
過去に石破氏のドキュメンタリー映画制作
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年