鹿児島県霧島市の日当山温泉では浸水で電気設備が損傷し、復旧の見込みが立たない旅館もあります。現地を取材しました。

記録的な大雨からあす15日で1週間。霧島市隼人町の日当山地区公民館には、14日も多くの災害ごみが持ち込まれていました。
(ごみを持ち込んだ人)「畳は最初に持ってきたけど、水に浸かった道具やベッドも。(Q暑い中の作業は?)大変ですけど、皆さんも大変なので。ここは頑張らないと。
(ごみを持ち込んだ人)「地道に積み込んで持ってきて、それを繰り返しやっている」
(霧島市職員)「市としても(被災した方の)心に寄り添いながら、あわてず対応していきたい」
大きな被害が出た日当山周辺地区には、多くの温泉施設や旅館が点在しています。

(記者)「老舗の吉田温泉です。水害で大きなダメージを受けました。猛暑の中、懸命の復旧活動を続けています」

60年以上の歴史がある吉田温泉は1.5メートルほどの高さまで浸水しました。
(吉田温泉・原田くるみさん)「(大雨の日)2階から下の様子をずっと見ていた。私の肩の高さぐらいまで(水が来た)」

宿泊棟や大浴場など4つの建物全てが被害を受け、予約客30組以上にキャンセルの連絡をしています。周辺は停電していませんが、敷地内にあった電気設備が浸水したため、館内全てでまだ電気が使えません。
(吉田温泉・原田くるみさん)「温泉はポンプでくみ上げていたので、これが動かないと。お盆と連休が重なって、(部品を)注文するのに1週間。そこから2~3週間ぐらいかかるだろうと。(復旧は)はっきりわからない」

復旧のめどが立たない中、温泉の常連やボランティアの手を借り、ごみを運んだり浴槽の掃除をしたりしています。
取材中、常連が差し入れに。
(吉田温泉・原田くるみさん)「今の方も風呂の常連さん。こんないっぱい(飲み物が)入ってる。ありがたい。『これから頑張ってください』って持ってこられるので」

日当山地区の浸水被害について霧島市は、「天降川は氾濫しておらず内水氾濫が起きた」としています。内水氾濫は、大雨が降った際、雨水の排水が追いつかず、下水道や用水路などから水があふれ出す現象です。

(吉田温泉・原田くるみさん)「今の現状をどうにかして、お風呂のお客様も1人でも多く呼んで、一歩ずつ進んで行くしかない」
あたたかい心に触れ、温泉再開に向けて力強く前を向いています。