トイレの数には「法律」がある 実態は「ニーズとズレ」か

この問題に政府も動き出しています。今年6月に閣議決定した「骨太の方針」に『女性用トイレの利用環境の改善』を盛り込んだのです。

現在、職場など事業所のトイレの設置については、厚生労働省が労働安全衛生法に基づく規則を定めています。

例えば男女それぞれ65人が働いている職場の場合、男性用は「個室2つ、小便器3つ」。女性用は「4つ」です。

その一方、商業施設や駅では各事業者の判断に委ねられています。

この状況に対し、日本トイレ協会の山本理事は「時代のニーズとズレが生じている」と分析します。

日本トイレ協会 山本浩司理事「女性トイレの場合は絶対数が足りない。その多くの原因は女性の社会進出が大きく寄与している」

平均的なトイレの利用時間は男性が37.7秒、女性は93.1秒で、女性は男性の2.5倍かかるとも言われています。

山本理事「『快適なトイレ』というと、『きれいなトイレ』を求めると思うが、トイレがなくて並んでいるというのは不快につながるので、そうした不快な要素を取り除くというのも『快適』の中の一つ」