―――さて、インフルエンザとコロナとの関係で、同時感染を「フルロナ」なんていう言い方を最近耳にします。両方感染することによって人工呼吸器の装着リスクが4.14倍、そして死亡リスクが2.35倍と、ちょっとショックなデータが出ています(今年3月の医学雑誌ランセット)。ただ、「調査対象に注意点がある」ということです。
―――論文では新型コロナインフル同時感染した227人の調査結果をもとにしていますが、227人は2020年2月6日から2021年12月に8日に入院した平均年齢が68歳の患者。かつて厚生労働省で働いていた豊田真由子さん(元国会議員)はここがちょっと引っかかるぞということですよね。

(豊田真由子氏)
数字だけ見ちゃうと「死亡リスク2.35倍ってすごい怖く、同時感染はやばい」ってなるんですけど、どういう人を対象にした調査かってのが大事で、原文をちゃんと読むと高齢者のグループで、元々症状が重くて入院した約7000人の中で、227人がダブル感染していました。その人と、コロナ感染だけの人を比べたら、症状が重くて悪化しますよってことなんですよ。
だから若い現役世代の人が、今まで無症状・軽症だったのがコロナとインフルにかかったら突然亡くなったり重症化するっていうデータではないので、やっぱりどういう調査かをちゃんと説明した上でやらないと、聞いたらみんなびっくりして、誤ったメッセージになっちゃうと思うんです。特にイギリスの調査なので、ヨーロッパって第1波、第2波で亡くなる方が多かったんですね。それだけで15万人亡くなっていて、治療法もわからない、ワクチンもない頃の調査なので、やっぱり死亡率も今よりは高いです。もちろん感染しない方がいいんだけれども「怖い、どうしよう」って驚かせる話にしちゃいけないということですね。
―――宮下先生、それでも同時感染は、体には負担はあるわけでしょうか。
はい。これは二つのウイルス全く性質が違うものですから、症状はかなり出やすい、とりわけインフルエンザは子供の病気であるということで一番怖いのは子供の脳症です。これは新型コロナでも起こっていますし、インフルエンザではH3N2が起こりやすいということがわかっています。確かに重症化はしないかもしれないんですが、症状はやっぱり強く出るということは知っておいてほしいと思います。
―――そして、コロナについてこれからの流行はBQ1.1(通称:ケルベロス)ではないかということで、第8波の条件が揃っていますと宮下先生は警鐘を鳴らしています。














