―――大阪府の「定点あたりのインフルエンザ患者の報告数」を示しています。まず青い線、2021年のインフルエンザの患者報告数は相当少ないいっぽう今年は(オレンジ色の線)、ここで1回ぐっと上がって、落ち着いたあと、11月7~13日の週に一気に増えています。大阪は0.48人で東京の0.21人と比べて倍以上多く、インフルエンザは「西高東低の傾向」です。しかし大阪がこれだけ多いというのはなんでなんでしょう。

はっきりとした理由はないんですけれども、いい見方をしますと、大阪の方がしっかりと検査をする。しっかりと検査すれば当然出てきます。逆に悪い見方をしますと、大阪はどうしてもコロナのワクチン接種率が低かったり、それから感染対策が少しおろそかになっていたり、そういうのがあるのかもしれないですね。ただ、これから人数が増えてくると、人流の多い方が増えることがわかっておりますので、おそらく東京の方が増えると思います。
―――流行の時期が例年と比べてずいぶん早い印象です。
その通りです。今年オーストラリアで流行ったのもやっぱり時期が早かったです。やっぱり2年間、インフルエンザの流行がありませんでしたので我々は免疫を持っておりません。免疫がないところでウイルスが入ってくると、特にやっぱりオーストラリアは観光客が入ってきましたから、マスクをあまり対策としてしていない国というのは一気に広がりますね。
―――若い人にインフルエンザが多い印象はありますか。
まずインフルエンザというのはコロナと違って子供の病気です。子供から流行して社会へ拡散する病気なんですね。ただ、番組でも何回も取り上げているように子供って学校でちゃんとマスクしています。これに比べて、感染からの防御が低くなるのが、やっぱり20代など若い世代というのは、実感としてわかります。大学生以上となると自己責任というところにかかってきます。
―――今シーズンの流行予想はA香港型(H3N2)で、特徴は高齢者は肺炎、小児は脳症を起こしやすいということです。
今流行してるのが三つタイプがあるわけですけども、その一つがA香港型です。このタイプは「H1N1」や「B」と比べると、高齢者で肺炎を起こしやすく小児では脳症を起こしやすいので「H3N2」が流行るシーズンはやっぱり人工呼吸器が増えますし、入院患者が増える傾向がこれまでもありました。
―――インフルエンザは4価ワクチンと呼ばれますが、これは1本の注射で4種類に対応するということですか。
そういうことになります。まず大きくはインフルエンザに感染する人と感染しない人にわかれます。感染する人は、H3N2に罹って、その後Bに罹ったり、1シーズンで3回罹ったりする方もいます。
―――今シーズンの流行は「A香港型」ではないかということなんですけども、これに対しては「感染を防ぐ効果は低く、重症化予防に効果」ということです。
今の新型コロナも、マイナーチェンジ(変異)を起こしているのと同じようにインフルエンザもマイナーチェンジを起こしていく。特にA香港型(H3N2)は、継代していくうちに変異を起こしてしまうので効果が弱まってしまいます。ただし、ワクチンを打っておくと、100%ではないけれど、重症化予防に効果は認められております。














