地域の保育園で、仲間と共に過ごし、笑い合い、成長してきた子どもがいます。
しかし、障がいがあるという理由で、小学校からはその「当たり前の環境」が途切れてしまう。富山県に住む母親が今、求めているのは「副籍制度」。障がいのある子どもが、地域の友達とこれからも一緒に育っていくために必要なこの制度の現状と課題を取材しました。

毎朝、母の里奈さんと元気に登園しているのは西田地方保育園の堀口銀汰くん(5)、愛称は『銀ちゃん』。

生まれつきの難病、染色体に異常がある「5P欠失症候群」という重い病気と闘う重症心身障がい児です。

かつては胃にチューブで栄養を送る「医療的ケア」が必要でしたが、2年前にそのケアを卒業し、保育園に通えるようになりました。

保育園では、専属の保育士がいつも銀ちゃんのそばにいます。痰が絡んだ時も優しく背中をさすります。

銀ちゃんの担当保育士 奥野香奈子さん
「大丈夫銀ちゃん?痰が絡んでるわ」

滑り台もみんなで滑ります。

銀ちゃんの担当保育士 奥野香奈子さん
「子どもたちの中では銀ちゃんもAクラスの仲間の一人。だから銀ちゃんが困っていたら私たち助けるからって。みんなでできるの形を考えて、みんなで実現していく。それが幸せだなって思ったり」

滑り台をみんなで滑ったり友達と泥遊びをしたり…。みんなの人気者です。

母親 堀口里奈さん
「どんなふうに発達がゆっくりな我が子が関わっていくのかなっていうところが未知なところがあって、そういったところで不安もありましたけど。園全体で子どもの成長を見守ってくださるという姿勢がすごく親としても嬉しくて、本人としてもやっぱりいろんなところで信頼関係が築けているので、安心して園生活を送れてるんだなっていうふうに感じてます」