8日、自民党では石破総理の責任問題などを議論する「両院議員総会」が開かれました。賛否渦巻く石破総理の進退はどうなるのでしょうか。(Nスタ・午後4時30分頃放送)

総理の発言 党内の“火種”に?

高柳光希キャスター:
自民党は参議院選挙での敗北を受けて、7月28日に両院議員懇談会を開催しました。当初2時間の予定でしたが、4時間半とかなり超過して行われました。議員の発言の8割が、石破総理の退陣の要求についてでした。そして8日に行われているのが、両院議員総会です。

両院議員総会はただの意見交換の場ではなく、議案の決定権を持ちます。そこで焦点となるのが、石破総理の進退についてです。退陣の要求が求められる声が上がるとみられています。総会での冒頭にはこのような発言がありました。

石破総理
「私どもとして、引き続きこの日本国に責任を持ってまいります。いろんなご意見を承りたい」

続投に理解を求める声を上げています。

そして8月4日、新たな火種となる出来事がありました。衆議院で行われた予算委員会での石破総理の「企業・団体献金の扱い」についての発言です。

立憲民主党 野田佳彦代表
「私と総理で、膝突き合わせて協議して合意をしていく、そういう作業をする気はありませんか」

石破総理
「そのようにさせていただきたいと思います。本質的な問題については、党首同士でお話をさせていただき、それが各党に共有されるような努力をしていくということだと思っております」

高柳キャスター:
企業団体献金の扱いについて、石破総理は「党首同士で話をして各党に共有されるような努力をしていく」と発言をしました。この点をどう考えれば良いでしょうか?

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
企業団体献金の問題について、与野党でずっと話し合ってきましたが結論が出ていないわけです。その中で石破総理は、党首同士で話をして各党に共有されるような努力をしていくという発言をしましたが、自民党内では非常に大きな反発が広がっています。

例えば、自民党関係者は「企業団体献金のことも勝手に決めて、党内で誰も納得しないだろう。自民党がバラバラになってしまう」と言っています。

別の自民党関係者は「党内での議論を飛び越えて野党と交渉するのは問題だ。石破総理にそこまでの全権委任はしていない」ということです。

つまり、自民党の中で一生懸命議論をして、どうして行けば良いか?という中で、野党とも話していたのに、まとまらないからといって、石破総理がいきなり立憲民主党の野田代表と「私達で話しましょう」みたいなことになってしまったら、一体我々がやってたことは何なんだと、非常に大きい反発が広がっているという状況です。

日比麻音子キャスター:
とはいえ、今回の選挙で自民党が負けた理由には、内向きな姿勢というのも国民の判断の一つになったのかなとも思います。

今回の参院選でも、裏金問題に関わった10人以上の議員が立候補していますし、そもそも、石破総理がトップに立つということは、政治と金の問題を刷新するという目的であったのにも関わらず、やきもきする時間が長く続いているということで、自民党が保身を続けているのではないかという印象すら受けるのですが、実態はどうでしょうか。

岩田政治部長:
参議院選挙の敗北の理由を、自民党はこれから検証を続けていき、今日の両院総会もその狙いがあります。

一つ言われてるのは、やはり政治と金の問題がしっかり決着がついていないことです。それが、今回の参議院選挙での自民党の敗北に繋がった大きな理由の一つだということが指摘されています。

石破総理としては、これまで与野党で話し合いをしてきたけれど、それで進まないのであれば、一番問題とされる政治と金の問題を少しでも変えていくために、自分が前に出て、野田代表と話をして決めていくということを発信しました。

有権者に対してのメッセージでもあるかとは思いますが、自民党内から見れば、大事な政治資金、企業団体献金の問題について、頭越しに石破総理が野党の党首と話をするということは一体どういうことなんだと、これまでと違う形で波紋や反発が広がっているというのが今の状況です。

南波雅俊キャスター:
懇談会と総会の違いは、議案の決定権ですが、実際に総理の退陣が決まることはあり得るのでしょうか。

岩田政治部長:
仕組みの中では決議はできます。例えば、辞めるべきだという決議はできても、辞めさせることはできないです。強制力はないわけです。

いずれにしても過半数は必要になるので、きょう、この場で石破総理が退陣すべきだという決議がそのまま通るということはない見通しです。

ただ、新たな課題も起きてきた中で、石破総理に対する反発や不信感は自民党内でさらに広がっています。そのあたりをどうしていくのかというところです。