今年4月、北アルプス燕岳の登山口へ向かう唯一の道路が崩落し通行止めとなりました。山の日を前に8日復旧工事が完了し、関係者からは安どの声が聞かれました。


安曇野市穂高の県道=通称・中房線では、8日正午にゲートが開けられ通行止めが解除されました。

中房線は北アルプス・燕岳の登山口=中房温泉に向かう唯一の道路。今シーズンの開山を目前にした4月に路肩が崩落しました。崩落には、道路の整備をしていた男性作業員がバックホーとともに巻き込まれ死亡。登山口までの全長およそ12キロが許可された車以外通行できなくなりました。


復旧工事の間、登山口へのアクセスは山麓のゲートから崩落箇所までを1日5~7便の定期バスかタクシーで。

通行止めの区間を徒歩で通過した後、山小屋などが運行する無料の送迎車を利用する形となっていましたが、休日には、乗り継ぎで1時間以上の待ち時間が発生することもありました。


記者リポート:「燕岳の登山口です。通行止めが解除されたことで、自家用車でも近くまで乗り入れることができるようになりました。山の日の3連休を前にさらなる活気が期待されます」

4か月遅れの開通に、市の観光協会会長で燕岳・燕山荘の赤沼健至社長は。

燕山荘 赤沼健至社長:「いやもう非常にほっとしてます。中房線ってのは、安曇野市のひとつの観光の大動脈なんですよ。山小屋と旅館だけの問題じゃなくて、下の交通関係だとかコンビニだとかスーパーだとか、それからレストラン、蕎麦屋さん。いろいろ多岐にわたって、影響を受けるんです」

当初、例年の3割ほどまで落ち込んだ山小屋の宿泊者数は、先月までに9割近くまで回復したといいますが、送迎のためのスタッフ確保など大きな負担があったといいます。


燕山荘赤沼健至社長:「本当に最速で(復旧を)やっていただきましたし、みんなで力を合わせていただいたというのが、本当にありがたかった」

中房線は冬季閉鎖となる11月下旬まで通行できます。