“日米のズレ”原因は合意文書なし?
振り返れば、トランプ関税に振り回された4か月でした。4月、「すべての国に10%の関税を課す」と宣言したトランプ氏。

石破茂総理(7月9日)
「これは国益をかけた闘いです。なめられてたまるか」
交渉を繰り返すこと8回。先月、日米がようやく合意しました。
赤沢亮正 経済再生担当大臣
「25%まで引き上げられるとされていた日本の関税率。15%にとどめることができました」

ただ、実は当初から懸念されていたことがありました。合意文書が交わされていなかったのです。

立憲民主党 野田佳彦代表
「トランプ政権ですよ 。(合意)文書も作らなかったらどんどん拡大解釈をして、日本はボラれ続けるんじゃないですか」

石破総理
「文書を作ることによって、関税の引き下げが遅れることを私どもは一番恐れています」
8月7日夜、石破総理は…
石破総理
「日米間に齟齬はないということは米側と確認をいたしているところです。すでに適用が開始された大統領令を修正する措置を直ちにとるように、米側に強く求めているところであります」
訪米中の赤沢大臣は…

赤沢大臣のXより
「米国商務省にラトちゃんを訪ねました」
ラトニック商務長官やアップルのティム・クックCEOと笑顔で写った写真を投稿していました。
なぜズレが生じてしまったのでしょうか?

ワシントン支局 涌井文晶記者
「実際にその文書の形で大統領令ですとか、税関当局の書類という形に落とし込む、事務レベルでやっていくというところで、何らかその意思疎通がうまくいかなかったのか、あるいは何かハイレベルの意思が働いたのか、この辺はちょっと明らかではありませんが、そこで何か違いが起こってしまったということは間違いないと言えると思います」
米国内の消費者の負担増 大人気MATCHAに関税の影?
関税引き上げに伴う輸入品の値上がりは、アメリカ国内の消費者の負担増につながりかねません。
ニューヨークで日本の食材などを扱う、スーパーでは…

スーパー「ダイノブ」 河内武彦さん
「ドリンク類は全部上がってますね。日本から来ているドリンク類」
4月以降、日本産の多くの商品の仕入れ値が1割から2割ほど上昇。その分を価格に転嫁してもいまのところ“客足は鈍っていない”といいますが、「15%」の相互関税の影響については…

スーパー「ダイノブ」 河内さん
「日本のお客様は、日本の値段をご存じなのでやはり影響が…。『これこんなにするの』って考える方が多いですね」

日本人客
「1週間前まで日本にいたので、改めて本当に日本は安いなと思いました。アンテナ張って日本人のコミュニティに聞いて安いもの探して生活しなきゃなって感じです」
アメリカで大人気になっているこの輸入品も、関税の影響を免れられないかもしれません。

記者
「多くの人で賑わっているカフェですが、抹茶を召し上がっている方が多いです」
ニューヨークのこちらのカフェでは、愛知県から輸入した抹茶を使ったラテなどが人気で、中でもシュークリームは1日500個以上売れるといいます。
ただ人気ゆえの品薄で仕入れ値は4倍近くに高騰。そこに“関税が追い打ちをかけるのでは”と店は懸念しています。
この状況に抹茶ファンのニューヨーカーは…

お客さん
「関係ない。それでも抹茶を飲み続けます。他の物だって全部高くなってるし」