「骨髄移植は知らない誰かの善意に頼らないと実現しない」


「骨髄バンクを経由してドナー探しをしているのですが、現時点で最適なドナーが見つかっていないのが実情です。親子で提供できる可能性ないので、骨髄移植は知らない誰かの善意に頼らないと実現しない医療です。ドナー登録者が減っていたり、55歳になると(登録が)抹消される」
謙智君の父・浩章さんはなかなか進まない移植の現状を知り、国などにドナー登録を増やす方法を共に考えたいと呼びかける活動を始めました。
(謙智君の父 田中浩章さん)
「思いだけで突っ走っています。だめならだめだし、門前払いされたらそこまでだなと思いながら。行動しないことには波風が立たないので」
謙智君が入院して1年あまり。田中さんはある決断をしました。赤ちゃんのへその緒・臍帯血(さいたいけつ)で謙智君のHLAに合ったドナーが見つかったため、臍帯血移植を受けることにしたのです。謙智君は11月上旬に移植の手術を受け、経過観察中ということです。骨髄も臍帯血もどれも見ず知らずの誰かの善意。田中さんは移植を待つ患者や家族のために骨髄バンクの実情を多くの人に知ってほしいと話しています。