気仙沼市大島の海上では、先月30日の津波で被災したカキの養殖施設の復旧作業が本格化しています。半数以上の施設が被害を受けていると見られ養殖業者からは落胆の声が聞かれました。

気仙沼市大島瀬戸では3軒の養殖業者が130台のいかだでカキを養殖しています。
6日朝は漁師7人が、大島大橋近くの海域で復旧作業にあたりました。

先月31日に津波注意報が解除された後も潮の押し引きが見られたことから本格的な復旧作業は5日から始まったということです。被害を受けた養殖いかだには亀裂や折れているところが見つかったうえ、海中ではロープが絡まりあっているということです。

「強度としてはカキの養殖いかだとしては使えない状態ですね。」

先月30日のカムチャツカ半島付近を震源とするマグニチュード8.8の地震で気仙沼漁港の潮位計では、最大99センチの津波を観測したということです。気仙沼市大島の海域では、6割ほどの養殖いかだが被害を受けていると見られます。

カキ養殖漁師・小松俊浩(こまつとしひろ)さん:「航路の真ん中に団子状に固まってしまったいかだを撤去しないと船の航行に支障をきたすので行っている。引っ張ってきたいかだはカキを吊してあったが半分以上、残念だが切断するしかなかった。」

また、海底に沈んだり引き波で沖に流されたりしたいかだも複数あると見られています。

地元の養殖業者は今後も、修理や撤去を進める予定ですが、少なくとも年内の完全復旧は難しい状況で養殖業者の間で落胆が広がっています。