自衛隊が円滑に利用できるように国が指定する「特定利用空港」に、山口県宇部市にある山口宇部空港が検討されています。

山口県は「対象として受け入れる」旨を国に回答したことを明らかにしました。今後、関係閣僚会議で指定が決まれば「特定利用空港」とされる見通しです。



「特定利用空港」とは、自衛隊・海上保安庁が平素から必要に応じて円滑に利用できるよう国が指定する空港で、全国で11の空港が指定されています。指定されれば自衛隊の訓練が年に数回程度、行われる見通しです。

県では、地元宇部市と情報共有を図りながら、地元関係団体の意見も踏まえ慎重に検討を行ったとしたうえで、地元関係団体の理解が得られたことなどから「受け入れる」旨を回答したということです。

県は、調整を行った地元関係団体は、滑走路延長や増便時に調整を行っている山口宇部空港騒音対策協議会としていて、協議会からは、特定利用空港となることは「やむをえない」との回答があったということです。あわせて、訓練計画について事前に情報提供を行うこと、安全確保に万全を期すこと、訓練は日没後は行わないことなどの要望が出され、県は、これらを含む6つの項目を国に要請しました。

「特定利用空港」への指定を巡っては、地元の市民団体などから、「将来的にアメリカ軍が使用する可能性がある」などと懸念の声も上がっていましたが、県は「国からアメリカ軍がこの取り組みに参加することはないと聞いている」とし、米軍に関しては要請の中に含めていないということです。