「三輪を酒の聖地に」地元の発展に貢献したい

―――「若き経営者だからこそ」の強みはありますか?
 今西酒造の味わいが劇的に変化し、毎年クオリティーが上がってきたというのは莫大な投資をしているからなんです。1年でも成長が鈍化すれば、資金が回らなくなるほどのことをだいたい4年連続ぐらい勝負をかけていっているんですよ。実は経営的にはギリギリなことをしています。おかげさまで、日本酒にまつわる色々なコンクールで受賞できるまでになりました。

―――この先のビジョン、夢は何ですか?
 ビジョンとしては「三輪を酒の聖地に」です。「三輪」というすばらしい土地で酒造りをさせてもらっていることを誉れに思い、もっともっと三輪を表現する酒造りにこだわり抜いていくし、結果、「みむろ杉」を知って三輪の町に来てくださった方々が三輪の町の色々なお店でご飯を食べてもらったり、お土産を買ってもらったりして三輪が潤っていく...。酒造りを通じて三輪が元気になる一助になれたら良いなと思っています。
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―――もっと地元に貢献したいと?
 商売なので良い時も悪い時もあって、けれど長年、酒造りができているのは地元の方々に応援していただいているからで、やはり我々は酒造りを通じて「三輪の地」の発展に貢献していきたいという思いはあります。うちの強みは、まさにこの三輪の地で酒造りができていることです。奈良県三輪は、たぐい稀なる酒の聖地です。酒の神がいて、酒の神が宿る原材料で酒造りができるというのは、世界でも今西酒造だけです。こんなに誉れなことはないですし、だからこそ僕たちは三輪の地にこだわった酒造りをしたいと思い、日々、酒造りに向き合っています。

―――最後に、今西さんにとってリーダーとは?
 熱狂できるビジョンを描き、語り、それに向かってみんなと共に歩んでいける。そんな存在がリーダーだと思っています。まだまだ志半ばではありますが、ビジョンに向かって一歩一歩進んでいきたいと思っています。

■今西将之 1983年、奈良県桜井市生まれ。2006年、同志社大学商学部卒。同年、現リクルート入社。2011年、14代目蔵主に就任。

■今西酒造 1660年創業。「三諸杉(みむろすぎ)」「みむろ杉」を代表銘柄とするこの酒蔵として知られる。

※このインタビュー記事は、毎月第2日曜日のあさ5時30分から放送している『ザ・リーダー』をもとに再構成しました。