山形市の東北コーデン(株)(資本金8000万円、山形市高木2-2、代表・信夫章睦氏、従業員36名)は、8月1日に山形地裁ヘ自己破産を申請した。申請代理人は夏苅一弁護士(松田綜合法律事務所、東京都千代田区大手町2-1-1、電話03-3272-0101)ほか2名。
帝国データバンクによると、東北コーデンは1985年(昭和60年)7月に設立された電子機器および音響機器の部品メーカー。近時は通信機器製造業者などから受注を得て、プリント基板(SMT)を主体に、検査装置や測定装置、キーレスエントリーなどの製造を行うほか、同部品の製造も手がけていた。
かつては100名を超える従業員を擁し、1998年(平成10年)6月期には年売上高約82億3200万円を計上していた。しかし、取引先からの材料有償支給による生産だったため、取引先の動向で業績が大きく変動する状況にあったうえ、2004年(平成16 年)6月期には、会計基準を変更。多額の特別損失を計上し、主力銀行からの支援を受けて経営再建に取り組んでいた。
その後は、組立加工の受注が海外にシフトしたこともあって、売り上げが低迷。主力製品の変更を繰り返して採算性の乏しい運営が続き、2024年(令和6年)6月期は年売上高約2億5600万円に対して当期純損失約2300万円を計上し、債務超過に陥っていた。
2024年(令和6年)11月には、関係会社の(株)エヌイー(資本金2000万円、山形市高木25、代表・信夫章睦氏)を吸収合併。同社は、デジタル時計や電子部品の組み立てを行っており、2024年(令和6年)3月期には年売上高約1億4200万円を計上していたが、同期以降に主要取引先からの受注がなくなり、事業の整理を進めていた。
厳しい受注環境が続くなか、多額の債務返済が困難となり、事業の継続を断念した。
負債は、東北コーデン(株)が2024年(令和6年)6月期末時点で約5億4800万円、合併した(株)エヌイーが2024年(令和6年)3月期末時点で約2億8800万円、合計約8億3600万円だが、変動している可能性がある。