横浜市のみなとみらいエリアで花火を打ち上げる台船が炎上してから一夜明け、昼前になってようやく鎮火が確認されました。花火が暴発した原因について、「低空開発」が考えられると指摘する声もあります。

午前7時半ごろ、炎上した台船の消火活動がようやく始まりました。鎮火が確認されたのは午前11時10分。発生から15時間半が経っていました。

そして先ほど午後3時ごろ、別の船に牽引され、大黒ふ頭に接岸したことが確認されました。台船の上には花火の打ち上げに使われたとみられる筒などが散乱しています。

昨夜、横浜・みなとみらいの夜空を彩った、大輪の花火。しかし、開始20分後…

「大丈夫?あれ、なんか…」

打ち上げのための台船から火の手があがり、花火が暴発。

「花火大会会場で火災が発生しました。大会の中止が告げられています」

出火した台船には5人の作業員が乗っていましたが海に飛び込み、その後、救助されました。5人のうち50代の男性1人が軽いけがをしたということです。

しかし、その後も火はなかなかおさまらず、花火は暴発を続けました。

台船が浮いていたのは、みなとみらいエリア近くの海上。付近には花火を観覧する船も多くありました。来場者は…

来場者
「奥の方を見たら赤い色の火がめらめらしていて、大丈夫かなと思っていたらどんどん燃え広がって」

花火の暴発がなかなかおさまらなかったことなどから、消火活動もままならないまま朝を迎えました。

なぜ、沈静化にこれほど時間がかかったのでしょうか。花火の研究家・冴木さんは、午後7時45分ごろの映像に注目しています。

花火研究家 冴木一馬氏
「ここですね。低空開発している部分っていうのは」

「低空開発」とは、設計に反して花火が十分な高さまで上がりきらないまま爆発してしまうことです。詳しい原因はわかっていませんが、冴木さんは。

花火研究家 冴木一馬氏
「製品不良ではないかなというふうに推測できます」

火災発生時刻と時を同じくして、「低空開発」の様子が確認できるとしたうえで、これがほかの花火の暴発を招いてしまったのではないかと冴木さんは指摘します。

花火研究家 冴木一馬氏
「火が他の筒に入ってしまって暴発していった連鎖反応ということですね」

海上保安庁によりますと、台船にはまだ暴発する花火が残っている可能性があるということで、安全が確保され次第、実況見分などを行い、原因を究明する方針です。