トカラ列島近海の群発地震で、十島村の悪石島で震度6弱を観測して1か月です。地震は徐々に収まり、島は少しずつ日常を取り戻しています。住民に今の島の様子を聞きました。

(悪石島 有川和則さん)「日常生活に戻っている感じはする。この状態がずっと続いてほしい」

悪石島で漁や民宿を営んでいる有川和則さん(73)です。相次ぐ地震を受け妻と2人で一時、鹿児島市に避難していました。

トカラ列島近海では6月21日以降、地震が相次ぎ、この1か月半、十島村では震度1以上を2200回以上観測。先月3日に、一連の地震で最大の震度6弱を悪石島で観測しました。その後、地震は徐々に減り、先月20日以降は1桁で収まっています。

地震が相次いだ中、悪石島と、となりの小宝島では延べ70人が島を離れ、避難しました。有川さんは先月16日に島に戻りましたが、およそ2週間の避難生活や体調不良で、先月の収入はゼロに。村からの7万円の給付金が、生活の糧になっているといいます。

(悪石島 有川和則さん)「地震の間に多くの人たちから支援をいただき、ありがたい、感謝の言葉しかない。それぞれ島民が道路の伐採作業や、船を持っている人は船の整備をして、みんな日常生活を送っている」

有川さんは4日あさ、自分の船の塗装や整備を終え、4日、1か月半ぶりに漁に出ました。

有川さんがもう1つ楽しみにしているのが、来月7日に開かれる「ボゼ祭り」。ユネスコの無形文化遺産に登録されている島の伝統行事です。

(悪石島 有川和則さん)「悪い霊を払ってくれるのがボゼの役目。ボゼが地震をおさめてくれると考えている人もいる。(開催は)島民にとっていいこと」

地震の減少とともに、島は少しずつ日常を取り戻しています。