8月3日に開業した広島電鉄の駅前大橋ルート。広島駅の新たな景色と、平面電停の最後を取材しました。

駅前大橋ルートが開業して初めての平日を迎えた4日。3日から路面電車乗り場は広島駅の2階に。JRの改札と一続きとなり、通勤客が一直線に吸い込まれていきます。

通勤客「電車は通勤で使っているけど、新線は初めて。JRからの乗り換えは雨が降っても濡れないので良いと思う」

通勤客「高いところが苦手なので、恐怖を感じながら見下ろしてみようかなと。ギリ行けそうです」

多くの通勤客を乗せ、電車は、広電で最大の勾配4‰(パーミル)を下っていきます。銀山町、胡町、立町を通過する初めての快速電車も4日から実証運行がスタート。広島駅から紙屋町東を9分で結びます。

駅前大橋ルートの開業とともに、なくなるものもあります。平面にあった電停は、2日最後のときを迎え、名残を惜しむ人たちで賑わました。

地元住民「見慣れた風景だったので、ちょっと寂しいなとは想うんですけれども、新しい駅になりますので、これからの発展を期待して見届けたいと思います」

訪れた夫婦「市民球場に行くときとかは、こちらから市電で向かっていたので、凄い思い出のある路線ですね。お腹の中に居る子どもと、うまれたら新しく開通した市電に一緒に乗りたいなと思っています」

兵庫からきた鉄道ファン「地上の駅がなくなるのと、廃線になるのと、寂しい気持ちがあって最後まで見届けたいなと思って。100年以上運営してきた駅に『ありがとう、これからもよろしくお願いします』という一言です」

最後の電車は、貸し切りで特別運行。事前に応募した鉄道ファン100人が乗り込みました。

広島電鉄 椋田昌夫会長「非常に活気のある広島の街の復興を歴史的に見守ってくれた電停でした」

貸切電車に乗る鉄道ファン「当たったのが分かった瞬間、小さくガッツポーズというか『よかったー』みたいな感じで思いました」

「最終電車、出発進行!!」の合図とともに、午後11時29分、電車が広島駅を出発。1912年から続いた平面電停の歴史に幕を下ろしました。