山口県周防大島町立病院の歯科医師が、歯科金属スクラップを不正に処分したとして、町民らが損害賠償を求めた住民訴訟の判決です。

裁判所は4日、住民訴訟の前提となる住民監査請求に問題があるとして、訴えを却下しました。



この問題は2022年、周防大島町立橘医院の50代の男性歯科医師が、治療で不要になった金歯などの歯科金属スクラップを許可なく寄付したとして、懲戒処分を受けたものです。

周防大島町の町民ら原告は、歯科医師が町の財産である歯科金属スクラップおよそ30キロ、3000万円分を不正に売却して対価を得ていたと指摘。

売却代金は町に納めるべきとして、損害賠償を歯科医師らに請求するよう求めていました。

4日の判決で山口地裁の秋信治也裁判長は、住民訴訟の前提となる住民監査請求が、1年間の請求期間を過ぎて行われており、期間を過ぎたことに正当な理由は認められないとして、訴えを却下しました。

原告側は「不当で残念な判決」として、広島高裁に控訴する考えです。

町側は「病院事業局の主張が認められたものと考えている」とコメントしました。