夏の夜を彩る風物詩、花火大会。
その華やかさの陰には、物価高や人手不足といった、運営側の厳しい現実が潜んでいます。そんな中、日本の夏の伝統を守ろうと、大手ビールメーカーが、意外な形でその存続を支援しています。
夏の夜空を彩る大輪の花火。
米子市の夏の一大イベントと言えば「がいな祭」です。
毎年8月に開催され、前夜祭を含めて米子駅前通りを中心に3日間にわたってにぎわいます。

そして祭りのフィナーレを飾るのは大花火大会。
今年もおよそ4000発の花火が夜空を彩ります。
半世紀にわたり紡がれてきた伝統の夏祭り…一方で、いま、「がいな祭」は運営維持に頭を悩ませています。
実行委員会
「米子がいな祭第2回実行委員会の方を開催させていただきたい」
この日開かれた米子がいな祭実行委員会。
このうち、企画実行本部を構成している米子青年会議所の人員は、人口減少などの影響を受け、ピーク時にはおよそ130人いた人員が現在はおよそ30人となり活動している状況です。

米子がいな祭企画実行本部 渡部勝太郎 本部長
「集めるのも我々本部のメンバーもどんどん少なくなっていく中で非常に苦労している。いろんなところに人員が必要になってくるけど、なかなか満足な人数を確保できていないのが現状」
そんな人員不足もあり、今年は、がいな祭でにぎわいの中心となる駅前通りでのイベントは一部規模を縮小。
警備費用や熱中症対策などを考慮して祭り2日目の午前中からは駅前通りの交通規制を解除することにしました。
米子がいな祭企画実行本部 渡部勝太郎 本部長
「日曜日の朝から、駅前の通りは交通規制を解除して、車を通そうかと考えている。我々本部のメンバーもどんどん少なくなっていく中で非常に苦労している」
また、「がいな祭」のシンボル、「がいな万灯」も課題を抱えています。
米子名物、「がいな万灯」。
しかし、その現状は担ぎ手の年齢層の上昇や人手不足から継続が難しいチームも増えていて、特に子ども世代への継承が喫緊の課題です。

米子がいな万灯振興会 津村寛司 副会長
「コロナ前が一番ピークで全部で53チームくらいあったけど、いまはやはり年齢層が高くなったり、人員が少なかったりしてやめるチームもあるし、ちょっと少なくなっている。ちょっとでも子どもたちが増えたらいいと思っている」